2011年5月11日水曜日

「伊東 乾の「常識の源流探訪」」から

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20110404/219288/
これからの「放射能」の話をしよう
今を生き延びるための科学常識
 3月11日に発生した震災と事故。災害のごく初期「放射物性物質の漏れが確認された」と報じられた時には、過剰反応も含めマスコミは大変な反応を見せて いましたが、3月末、ないし4月に入ると「地下水中から高濃度の放射性物質検出」「冷却水がそのまま海に流れ出ていた可能性」といった初期とは比べものに ならない大変な内容が報じられても、テレビ各局はお笑いやバラエティを流していて字幕スーパーも走りません。
震災から数週間の段階でも、すでに各種の「慣れ」によって、情報に対する反応が鈍化してしまっているわけです。これが2年、3年と続くなら、明らかに社 会全体の放射線情報への関心は低下してしまうでしょう。こうした「慣れ」によって、人が油断してしまう最大の理由は、情報の内容をよく理解していないから だと私は思います。
《中略》
 逆に言えば多くの人は「もう大丈夫」「なんともない」「心配は要らない」と誰かに言って欲しいとも思っています。しかし残念ながら、福島原発事故は数週間とか数カ月で「もう大丈夫」と誰かが言えるような状況ではありません。現在の過熱した炉内の冷却だけでも年単位の時間が掛かり、この間なんらかのきっかけで突然放射性物質が噴出しないという保証はありません。

 しかし方法はあります。突発的な事故を事前に察知する方法には限りがありますが、速報に気をつけていれば、多くの人が状況を正しく知った上で、影響が自分のいるエリアに及ぶまでの間に、いろいろな自衛策を取ることができます。
正しく情報を得ることが大事だということだが、人間は災害が我が身に降るかからねば何らかの行動を取りにくいということがある。現場ではものすごい緊迫感でとらえられていることも、遠く離れたところでは緊張を持ってとらえられない。

情報はあらゆる所で、いろいろな方法で、また解説などもいろいろ出ている。どの情報を取るかによっても人の行動は違ってくる。情報を取捨選択するのは取得する者に委ねられる。常日頃から、どんな情報をどう取得するか目を養っておくことが大切だ。

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